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ウクライナ 前編


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オリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画"The Putin Interviews"(2017年作品:2015年~2017年のインタビューをもとに製作)の中でプーチン大統領はウクライナ問題に触れている。


ウクライナは建国以来どの政権下においても貧困から抜け出せなかった。 その現状を打開するためにウクライナ国民の心は欧州側へ傾いた。
そんな折、ロシアとの経済関係が強く、IMFの債務までロシアに肩代わりしてもらったウクライナ政府が突然EUと経済連合協定を結ぶと発表。 当然ロシア側は難色を示し、親ロ派ヤヌコビッチ大統領はEUとの連合協定の調印を延期。 その直後に抗議運動がおこった。 2013年末のことだ。


最初は穏やかだった抗議運動も次第にエスカレートし、西欧諸国が支持する反政府極右の群衆(マイダン)と警官隊の激しい衝突に発展した。
抗議する群衆に対して狙撃部隊が発砲。 当初はヤヌコビッチ政権側の狙撃部隊の犯行とされたが、後の調べで狙撃部隊はマイダンが占拠する建物から警官と市民の両方を狙っていたことが判明。
暴動をエスカレートさせる目的でマイダン側が雇った西側(欧州)で訓練された部隊の可能性が高い。


マイダンは市庁舎、大統領の公邸を占拠、ヤヌコビッチ大統領の車列も狙われた。
これはもはや革命などではなく、武力による権力奪取すなわちクーデターに他ならない。
このクーデターにおいてマイダンの右翼勢力と欧米の関係は明らかで、米ジョン・マケイン上院議員が訪れた反政府側の集会にはネオナチを含む過激派の指導者たちが参加していた。
最終的に親欧米の政権が発足し、2015年アメリカの"バイデン副大統領"はウクライナ議会で演説。
「(この革命は)ウクライナ国民に2度目の自由をもたらした」とスピーチした。


一方、ドンバス地方(ルガンスク、ドネツク:ロシア系、親ロシア派住民が多いところで、今回のウクライナ紛争でロシアによって独立を承認された東部地域)の住民はこのクー デターを容認しなかった。
ウクライナ政府は特殊部隊をこの地方に派遣し歯向かう住民を投獄。 それに対抗するために住民たちは武装した。
ウクライナ政府はついにこの地方の住民と話し合いをもつことはなく武力による弾圧をおこなった。
戦車やロケット砲で市街地を攻撃し、たくさんの命が奪われた。
その後もウクライナ政府による民族的迫害は続き、国際機関の食糧支援さえ妨害され、ドンバスの人々は飢えた。
ドンバスの住民は同朋であるロシアに助けを求めた。


クリミア併合について。
クーデターにより政権を握った政府を支持する過激なナショナリストは「自分はロシア人だと考える人やロシア語を母国語と考えるクリミアの住民」に対し弾圧を加える恐れがあった。
そこで住民投票が行われた。投票率は80%にのぼり、95%がロシア編入を支持。 クリミアのロシア編入は住民の意思である。



ロシアのウクライナ侵攻で「プーチンは変わってしまった」との文字が日本のメディアに踊っているね。
でもね、インタビューを今見返してみるとプーチン大統領の理念は当時から一貫していて論理的だと思うよ。


その後、クリミアは国際的にはずっと係争地帯。
ドンバスにおける紛争は2014年ウクライナ、ロシア、ドネツク、ルガンスクの間で停戦協定(ミンスク議定書)が調印されるものちに破棄。
2015年にはドイツ、フランスの仲介によりミンスク2が調印された。 しかし、これも昨年2021年ウクライナ軍のドローンによる同地域への攻撃で破られた。
ウクライナ政府の露骨なロシア排除は続き、ロシア語は公用語からも外され、ロシア語の広告も禁止された。
さらに、ゼレンスキー政権は昨年、議会において「先住民法」を成立させた。 ウクライナ先住民と定義する3民族(主にクリミア半島に住むクリミア・タタール人、カライム人、クリムチャク人)に対して外敵からの保護ならびに人権と自由を保証するもの だが、人口の17%を占めるロシア系の人々は除外されている。 プーチン大統領は差別的な法律だと猛反発した。
こうして歴史をたどってみると今回のロシアのウクライナの衝突が突発的に起こったことではないのがよくわかる。 いきなり隣の大国ロシアが攻め入ってきたのではなく、ウクライナは少なくとも2014年のクーデター以降ずっと紛争地域なんだね。


まあ、理由はどうあれ「独立・住民投票・住民の希望した国へ編入」なんてルールが成り立っちゃったら国家の定義はめちゃくちゃになる。
だけど、西側寄り極右の政府に身の危険を感じクリミアが独立し、保護をもとめて隣国への編入を希望するっていうのは尋常なことではないね。 クリミアの人々はよほどウクライナ政府の圧力を感じていたんだろうな。
あくまでもクリミア半島の領有を主張するウクライナ政府は「クリミア半島にはロシア人以外の少数民族もいるんだからね。 少なくとも彼らはウクライナ人ですからね」と「先住民法」でロシアに釘を刺した。 その一方で「ウクライナ以外に母国(ロシア)を持つ人はいらねえ」とロシア系の国民を突き放した。
さらに、ドンバスの住民に対しては、ウクライナ政府は戦車の砲を向け続けた。「ここから出て行け」とばかりに。 そんなウクライナ政府の行為に声を上げ続けたのはロシアだけで、国際社会はこの事実をずーっと無視し続けたんだね。


プーチン大統領はウクライナ政府を称してしばしば「ネオナチ」と呼ぶけれど、ウクライナ政府のやっていることは「ロシアの排除」に特化しているような気がする。
ロシア的要素を排除することによって独立国の体裁を保とうとしているわけかな。 しかし、ウクライナという国はロシア系住民を含んで成り立っているわけだからね。 ロシア系住民の自由も言葉も奪うとなれば、それは紛れもない「民族主義」でしょうよ。
さらにウクライナ政府は独立性どころか、アメリカはじめ西側から金や武器開発を援助してもらっている。 兵隊の訓練も援助してもらっているんだからねぇ。
ついにプーチン大統領の堪忍袋の緒が切れ、ウクライナに侵攻。そうしたら今度は国際社会が即座に反応した。
どうでしょうか?私の認識は間違っていますか?


2022年3月記




2

2009年、ウクライナを訪れ、キエフ、ドネツク、マリウポリ、チェルニヒウといった町の人々を撮影した。 (偶然にも今回の戦争で最も戦火の激しいところです)
欧州化したウクライナ西部と違い、国土の真ん中を南北に流れるドニエプル川の東側は人も町も見事にロシアでしたよ。 日常会話もごくごく普通にロシア語で行われてたしね。 まあ、そういう絵を期待して私はウクライナへ行ったんだけど。政治のことなんかなーんにも知りませんでした。


データ(図録・ウクライナの地域別人口・民族・産業・所得水準) を見るとウクライナの東西では民族構成比が全く違うのがよくわかる。
さらに同じページに掲載された「ウクライナ国民にとっての理想の政府」と題されたギャラップの調査。
これによれば西部では以前のソビエト体制、ソビエトに近いが民主的・市場主義的な体制を望む人は23%と少数にとどまり、 西欧型の民主共和制を望む人が57%と過半数を占める。
しかし、東部ではこの比率が全く逆転する。 ロシア寄りの政治体制を望む人が57%。欧州寄りの政治体制を望む人はわずか15%。 もちろん、2013年の調査であるという前置きがつくけれど。
クーデター(マイダン革命)を経て、クリミアの問題があり、世代が変わって、どれほどの意識の変化があるのか全く想像できない。 なにしろ、ゼレンスキー大統領自身、東部出身のロシア語話者だというのだからね。
ロシアが今回の侵攻の大義のひとつに掲げていたのは、ウクライナ東部において迫害を受けているロシア系、親ロシア派の人々の解放だったよね? 当のウクライナ東部の人たちはこの侵攻をどう考えているんだろうねぇ? クリミアの人々の心情はど うなんだろう?
そういうものは日本のメディアでは全く伝えられない。 報道されるのはウクライナ政府の発表と都合良く切り取られた映像ばかりだ。


マリウポリの町で家を焼かれ、避難所を破壊され親族を失い泣き叫ぶ住民。 攻撃される産婦人科病院で負傷しながらも無事出産した女性。その映像は実際にこの町を訪れたことがある自分にはにわかに信じがたい。
黒海沿岸のマリウポリは重工業が盛んな港湾都市で地理的にも民族的にもウクライナで最もロシアに近い地域。 住民のおそらく過半数はロシア系だった。
わずか数十キロ先の国境は両国民が自由に行き来していて(当時はね)結婚式を終えたロシア人の夫婦がマリウポリの親戚を訪ねて来てた。
住民がロシア側に避難することはいともたやすいことのように思える。 なのに、避難民を一か所に集めたりウクライナ政府のこの町の住民への対応の仕方は不可解なことが多い。


そんなことを考えつつロシアのTASS通信を見ていたら「約40万人のドンバス、ウクライナ住民がロシア側に避難してきている」という記事が載った。 やはり、ロシア側にも避難しているんだな。
今日のロシア・チャンネル1のニュースはマリウポリの住民500人が新たにロシアが独立承認したドネツク人民共和国内に避難してきたと伝えている。
ロシア側のボランティアがマリウポリの住民を見回り、食料を支給する映像も流れた。 そうなんですよ。マリウポリはそういう町です。ロシアとのつながりが深い。


驚いたのは、前出の産婦人科病院から救出され西側のメディアに一躍「悲劇のヒロイン」に仕立て上げられた女性が避難先のドネツク人民共和国(DPR)で同チャンネル1に語った内容だ。
彼女は病院はウクライナ側の極右軍派「アゾフ大隊」によって占拠されておりロシア軍の空爆などなかったと話す。 AP通信の記者は拒否したにもかかわらず写真を撮り、自分の全く関知しないところで西側メディアによって「ロシアの攻撃から逃れた悲劇のヒロイン」に仕立て上げられた。
ウクライナ側の兵士は自分たちを救出するどころか、妊婦用の食糧を乞いに来た「俺たちはもう5日も食べていないんだ」と言って。 女性はそう語る。


もうこうなると、何が真実だか何がフェイクだかわからなくなってくるよね。 いや、戦争のプロパガンダってのはこういうものなんだろうね。 死者の数を盛り、被害を盛り、自分のミサイルを敵のミサイルだと偽り、そして時には自国民の死さえも利用する。
だからね、双方から出てくる情報は同様に疑ってかからなければいけないんだ。
ところが、私の住んでいる日本のメディアの論調は大きくウクライナ側に偏っている。
ロシアのラブロフ外相の発表は最初から「嘘」だと一蹴されるのに、ウクライナ政府の発表いや、噂さえも「事実」として流される。 「ロシア=悪」という結論のもとに逆算的にニュースが作られているような気さえするよ。


「ロシアが住民を強制連行か?」とか「無差別攻撃」とか「大虐殺」とか、まるで昭和のスポーツ新聞のようなショッキングな見出しが大新聞の見出しに踊る。 しかし、記事を読んでみると「市議会の発表では」とか「噂がある」とか「ウクライナ政府の発表では」というオチがついているのね。
「蛮行」だとか「責任転嫁」だとかきわめて主観的な言葉が大手メディアのニュースの中で頻繁に使われるのも今回の戦争報道の特徴だな。
さらに、政府までがその論調に乗っかる。 「日米欧、ロシアの虐殺疑惑で追加制裁へ」すごいよね、まともな第三者の調べもなく「疑惑」だけで制裁だそうです。 日本政府はロシアの駐日大使を国外追放したそうだ。大丈夫なんですか?そんなことをして。


インタビューの内容から考えればプーチン大統領のウクライナ侵攻の目的は現ウクライナ政権の交代(乱暴に言えば転覆)でしょう。 (もちろん、軍事侵攻も武力による政権奪取も許されることではないでしょう。 プーチン大統領自身2014年の革命をクーデターだと批判しているんだから)
でもね、ロシアはウクライナの一般市民に対して何の憎悪も持っていないし、ウクライナを占領しようとも思っていないでしょ。 ましてや原発を破壊してウクライナを放射能の海にしようとも考えていないでしょうよ。 そんなことをしても何の得にもならないのだから。 そういう個々の事例に対してロシアは公式に説明してますよ、昔ながらのマスメディアで。 ま、西側からはさらりと「フェイク」扱いですけどね。
一方、ウクライナ政府側から発せられるのはロシアへの憎悪の感情だけだね。 しかしそれがSNSで世界に拡散され「いいね」マークを集めていくんですな。
いやあ、「真実」って何でしょうね?「ジャーナリズム」って何だろうね?多分「真実」ですらひとつじゃないんだな。 見る人の立場や感情によって最初からいくつにも分かれてて永遠に平行線を辿るのかもしれない。
テーブルの上にミカンがある。 テーブルの上にミカンが置かれている。 テーブルの上にミカンが置き去りにされている。 テーブルの上にミカンが無残にも置き去りにされている。


2022年4月記

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プーチン大統領はインタビューの中でNATOについても「明らかに脅威である」と言及している。

ワルシャワ条約機構もソ連もなくなった今、NATOは存在意義を持たせるために常に外敵を探しているように思える。
1990年ドイツ再統一の際にソ連のゴルバチョフ書記長とベーカー米国務次官の間に「NATOをドイツ以東には拡大しない」との合意が交わされた。 それを信じて東欧の国々のソ連軍はすべて撤退した。
ところが独立した東欧の国々は次々にNATOに加盟していった。
NATOはアメリカの外交の道具だ。同盟国はいない。そこに存在するのは属国だけだ。
アメリカの圧力には抗えないから加盟国にどのような兵器が配備されてもおかしくない。 そうなればこちらもそこに照準を合わせるだけだ。
(プーチン大統領は冗談ぽく)クリントン大統領にロシアのNATOへの加盟検討を提案したことがある。 大統領は賛成したが代表団はピリピリしていた。
加盟すればロシアは投票権を得るからアメリカはNATOをコントロールできなくなるからだ。

さらにプーチン大統領はこう語る。
「今日、本当に主権を行使できる国は数少ない。 それ以外は同盟国の義務を負わされている。 そういう国は自分の意志で自らの主権を縛っている」


(非核三原則を変えてまで核シェアリングをと息巻いている元総理大臣さん、アメリカの属国に核兵器が配備されりゃロシアはそこに核の照準を直ちに合わせると言ってますよ)


ロシアのNATO加盟申請、面白い。 やってみてはどうだろうか?私はまじめにそう思ったよ。
1999年、アメリカを中心とするNATO軍は「民族主義的なセルビア人勢力」打倒のためにユーゴスラビアを空爆。 罪もない一般市民の命を奪い、大量の難民を生み出したのを私ははっきり覚えている。
NATO軍は空爆に3万発の劣化ウラン弾とクラスター爆弾を使い、今もその後遺症に苦しむ人もいる。
欧米各国はアルバニア系住民の大量虐殺を理由に人道的軍事介入を正当化しようとしたが、虐殺を裏付ける証拠はついに挙がらなかった。
そもそもこれはユーゴスラビア内の紛争であってNATOが介入して片棒を担ぐというのは一国の主権を侵すことになるのではないか、というもっともな意見は欧米の大きな声にかき消された。
果たして当時の日本の新聞は今回のロシアに対してのように「NATOの蛮行」なんて論調で記事を書いていただろうか?
NATOという免罪符があればすべて「善」、国際世論を味方につけられるのだからみんな加盟したがるのもよくわかる。


アメリカも他のNATO諸国もこうした軍事介入による黒い歴史を持つから、加盟国でないウクライナの戦争には派兵しないと早くから発表し正当性をアピールしたのだろう。 それによってロシアの軍事侵攻の不当性を訴えることができるからね。 ただ、ユーゴと違うのはウクライナ政府とドンバスの反政府勢力・ロシアの間ではずっと小競り合いが続いてたというところだ。 今回の戦争でロシアは当事者でしょ。
争っている両国の間に入って第三国は仲裁役に徹するべきなのにウクライナの片棒を担いでしまっている。
なぜか?ウクライナの戦っている相手がロシアだからだろうね。


アメリカはロシアの侵攻の詳しい日時まで予想していたそうだ。 軍事侵攻の日時までわかっていたのに、なぜそれを回避するための行動に出なかったのだんだろうね。
まるでロシアを泳がせておいて罠にかかるのを待っていたみたいだ。 一旦戦争が始まればウクライナ政府やNATOに対して多額の武器供与を行う。
アメリカはウクライナ・ロシア両国の和平を本当を望んでいるのだろうかね? ロシアを非難するために戦争を焚きつけているのではないか。
The Putin Interviewsの中「アメリカはロシアに対して何がしたいのか?」というオリバー・ストーン監督の質問に対してプーチン大統領はこう答えた。
「その質問には単純かつ明快に回答しよう。たたし、自分が政権を退いてからね」
この答えに苦笑したオリバー・ストーン監督が米国でささやかれる一つの仮説を紹介する。
「アメリカが望んでいるのは、ロシアの政治体制が内側から崩れ、経済的にも1990年代のレベルにまで困窮し、核兵器も放棄するくらい弱体化することである」
ウクライナの戦争を見ていると、この説もまんざら的外れではないような気がする。


プーチン大統領の「主権国家」の話は今回の西側諸国のロシアへの対応にそのまま当てはまるね。 日本政府の対応はまさにこの悪しき例かな。
ロシアとウクライナの対立は今に始まったわけではない。 ドイツやフランス首脳はロシアを何度も訪問し和平への道筋を探ってきた。いや今も探っている。
一方、日本政府はその間何をやっていたか? 戦争回避に向けて具体的に行動するでもなく、戦争がはじまると「ロシアへの対応は他の西側諸国に歩調を合わせる」とロシアを非難し一方的にウクライナを支持する。
これこそ主権を行使できない国、自分で考え抜いた意見を言えない国の典型ではないだろうか。
岸田首相は戦争において他国に歩調を合わせることがどういう意味を持つのかわかっていないんだろうな。
一旦「属国」のレッテルを貼られればロシアだけでなくどこの国からもその程度の国としか見られない。
現にそうなっている。 日本には意見を求めるまでもなく「アメリカに同じ」とね。 やがて交渉さえも行われなくなる。 「決められない国」と話すのは時間の無駄だ。 「親分」と話した方が良い。
国連のロシア非難決議にインドや中国は加わらなかった。 経済制裁も行わない。あくまでも中立的な立場を堅持するという。 実にまっとうな姿勢だと思うよ。
そのインドに岸田首相はロシア制裁に加わるように要求したんだからね。 こういうのを釈迦に説法というんだろうね、インドだけに。
大国だけではない。 発展途上国や小さな国もまた自国の将来を考えて、ここで安易にロシアを一方的に非難するべきかどうかを考えている。 賢明だと思う。


ウクライナの戦争でロシアへの経済制裁なんて何の解決策にもならないだろうね。 とんでもなく大きなブーメランがかえって来ますよ。
どうするんですか? 総理大臣さん。日本はアメリカのように資源のある大国ではないんですよ。
私は近年、旧ソ連の国を訪ねてきたけどいまだにロシアとの経済依存関係が強い国はけっこうある。 ロシアが困窮すればロシア経済圏も困窮する。 ロシアを相手に商売する人は職を失う。 ロシアでの営業を続けようとしていた世界的な企業もそれが自社のブランドイメージダウンになれば泣く泣く撤退する。 大きな市場を失うことになるから企業収益にも大きく影響するだろう。 景気も悪くなる。
で、それがウクライナの平和にどう関係するんですか?
政治家はすべてはロシアが悪いと言い逃れをするだろうけど、制裁の応酬なんてことにならなければ経済は経済できちんと回っていたでしょうに。


2022年4月記



今日の一枚
” アゾフ海 ” ウクライナ・マリウポリ 2009年
” 授業をサボる ” ウクライナ・マリウポリ 2009年
" 流されゆく日々 ” ウクライナ・キエフ 2009年







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